現在ミツロウがどのような分野でどの位使用されているかの確実な数量を挙げることは難しいです。その主な理由は他の多くの蝋と比較して、生産されたり輸入されたりする量が相対的に少量だからです。 化粧品原料としてはクリームや口紅などの基剤として、形態を保ち硬さを増し、さらに対象物に付着しやすくするために使用されています。 製薬原料としては主に軟膏の基剤に使われています。工業用途としては繊維油剤、また離型剤として使用され、製菓材料としてカヌレなどの洋菓子に使われます。 また、蜜蝋はよく複写の目的に用いられます。なぜなら模型の細かいところまで忠実に再現してくれるからです。これを利用して、歯科用材料にも使用されています。ミツロウを使ったクレヨンは色がよく、融点が高いので手が汚れないと定評があります。 ヨーロッパでは中世以来、キリスト教会用のキャンドルはミツロウでなければならないとされ、現在も多量に用いられています。 そのほかにも皮革の仕上げ、絶縁材料、蝋紙、ミツロウラップ、楽器、接木用蝋材、印刷用、鋳型用品の製造、防錆防水油、各種グリース、蝋けつ染、油絵用キャンパス等々その用途は枚挙に退がない位、多方面に使用されます。